Memories of the Breeze

 

 

 

はじめに、私が4〜5才の時の話。その頃、ときどき母に連れられて行った食料品店があった。そこには、誰でも自由に記入できる帳面が置いてあった。それを今でもよく覚えているのは、とても印象に残る絵が描いてあるのを見たからだ。それがどのような絵だったかといえば、女の子の長い髪が風でフワッと流れているというもので、今では一般的と思えるものかもしれないけれど、その当時は、まだ私はそのような静止画の中に動きのある絵を見た事が無かったのでとても驚いた、というわけである。

 

つづいて、小学生の頃のある日、私は母にことわりを入れてから、東映のアニメファンクラブ会報に記載されていた番号に電話をかける。それは、会報を送ってもらう方法を尋ねるためだった。すると最初に、それは無理と言われてしまう。でも、少し話をしているうちに、「何のアニメが好きなの?」と聞かれ、「白蛇伝」と答えると、「え!?ちょっと待ってて」と電話の相手が代わり、「いつ見たの?どんなところが好きなの?」という話になり、その結果、会報を送りますという話になった。たぶん、無料だったように思う。

 

それから、何度か家に電話がかかってきた際に色々な話をしたのだが、その中でいくつか覚えているうちの一つが、前述の風の話。「どんなアニメがいいか」と聞かれた時に、「風が吹いているのがいいと思う」と一連の話をした。「風かぁ、風は難しいんだよなぁ」と言われたが「でも、風がいいと思う」と話し「分かった、やってみるよ。ありがとう。」と言う事だった。

 

そのあと、暫くして、会報を送るのが最後になると言う話が電話であった。

 

おわりに、すっかり忘れていたこの出来事をふと思い出したのは数年前、つい最近になってからである。

 

 

 

4〜5才の頃。

Akiko Suzuki Atelier, 鈴木亜希子,  版画, a.s.kai+ji, スクリーンプリント, -Artist-, Serigraph/Screenprint,

幼稚園、お遊戯会の写真

舞台一番前にいるのは、かぐや姫役の私。

 

 

 

May 2015